「ボッチプレイヤーの冒険 〜最強みたいだけど、意味無いよなぁ〜」
第22話

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野盗収監編
<収監所と巨人>


 休憩開始から1時間ほどした頃、私たちが休んでいるテーブルの近くにゲートが開き、野盗たちのアジトからセルニアたちが帰ってきた

 「お帰り店長。思ったより時間が掛かったけど、ちゃんと説明してきたね?」
 「はい、アルフィン様」

 ちゃんと任務をこなせたらしく、満面の笑みで報告をするセルニア
 まぁ彼女なら相手も警戒しないだろうし、この手の伝言なら適任だったね
 うんうんと頷きながら、自分の人選が間違っていなかった事を再確認していると

 「ただ・・・」
 「ん?」

 セルニアと行動を共にしたサチコが申し訳なさそうに補足説明を始めた

 「セルニア様が廃屋の玄関前に転移門を開いてしまった為に、あちら側では大騒ぎになってしまいまして・・・」
 「ええっ!?」

 前言撤回、セルニアに任せるべきじゃなかったかな?
 サチコの説明からすると、どうやら玄関前の何も無い空間にいきなり黒い穴が開いたかと思ったら中から見たことのない女性二人が突然現れて、びっくりした野盗たちの家族が得体の知れない魔法を使う襲撃者が現れたと思って一時館に立て篭ってしまったそうな

 「てんちょぉ〜」
 「でもでも、ちゃんとお話してドアを開けてもらいましたよ。怪しい者ではないですよって一生懸命説明して」
 「はい、セルニア様はがんばられました。ドアを無理やり開けるほうが簡単なのに、ドアをたたいて何度も開けてくださいと一生懸命叫んでおられました。そのお姿はとても健気で」

 状況説明をしながら、どこからか取り出した白いハンカチを目頭に当てて感動に涙したかのような顔をするサチコ

 なんか目に浮かぶわぁ
 涙目で必死に「開けてぇ〜」とドアをたたくセルニアと、その姿があまりに哀れで思わず扉を開けてしまった野盗の家族たち
 まず間違いなく私の頭に描いている風景が再現されたのだろうけど、その通りなら絶対に襲撃者とは思えないからねぇ

 「それで中に入れてもらえて、説明できたわけだ」
 「はい! 偉いねって、果実水まで出してもらっちゃいました」

 察するに、子供のお使いとまで思われたのか・・・
 やっぱり人選、間違えたかなぁ

 「まぁいいわ。とにかく、先方には後日説明に窺うと言う話はしたのね」
 「はい、それは私が保証します」
 「サチコちゃん、それってどういう意味かなぁ」

 頭越しに答えたサチコに対し、セルニアは頬を膨らませ、じと目で睨む
 こうなるとあわてるのはサチコの方だ

 「いっいえ、深い意味は無くてですね」

 いつもは気品に満ちた雰囲気のサチコだが、セルニアにそんな目で見られた途端に普段では考えられないような情けない顔をして取り乱し、自慢の長い黒髪が乱れるのにも構わずに何とかセルニアの機嫌を直そうと身振り手振りを交えて言い訳を繰り返している
 それはそうだろうね、セルニアはこんな感じだけど地上階層の子達からしたら愛すべき上司でありアイドルなのだから

 必死に言い訳するサチコと、完全にすねてしまったのか背の高いサチコの顔を上目遣いでじっと見つめるセルニア
 う〜ん、もう少しこの漫才を見ていたい気もするけど、このままだとサチコが可愛そうなので助け舟を出すことにするか

 「店長、サチコは本当に店長の報告が正しい事を保障してくれただけだよ。だからそんな顔しないの」
 「アルフィン様、本当ですかぁ?」

 流石にセルニアも「だまされないぞ!」って言うような顔をしたけど

 「あら、私の言うことが信じられないんだ。悲しいなぁ」
 「あっ違います、違います。アルフィン様の御言葉を信じないなんて事は絶対にありません!」

 わざと悲しそうな顔を作ったら、今度はセルニアが大慌てだ

 うふふっ
 そんなセルニアを見てしまっては、思わず笑みがこぼれてしまう
 
 「うぅ〜、やっぱり・・・」
 「ごめんごめん。でも、サチコが店長の事を思って保障してくれたのは本当だから、それは信じてあげようね」
 「はい・・・」 

 まだ完全には納得仕切れてはいないようだけど、とりあえずは私の言葉に頷くセルニア
 ああ、本当に店長は可愛いなぁ

 さて、十分に和ませてもらったのでこれで満足して、次の行動に移る事にする

 「店長、まるんに転移する先の座標はもう説明してあるから、二人で協力してイングウェンザー城へ帰るための<ゲート/転移門>を作成して。受け入れ準備をしているあやめたちの話を聞かないといけないから私たちはまるんの造ったゲートで先に帰るわ。だから店長はその後でゲートを開いて野盗たちを連れて来てね」

 移動を二度に分けるにはちゃんと理由がある。正直一緒に帰ってもいいかなぁとも思うけど、エルシモさんの先ほどの反応を見た感じからすると高レベルのマジックキャスターが仲間にいなかったせいか、どうやら野盗たちは<ゲート/転移門>の魔法を知らないみたいなのよねぇ。

 流石に全員が知らないと言う事はないだろうけど、大多数がそうなら先に私たちが通って安全だと言う事を示さないと怪しんでゲートを通ってくれないかもしれないからね

 「はい、アルフィン様」

 先ほどまではちょっとすねていたけど、ちゃんと気持ちを切り替えられたのか、セルニアは私の言いつけにしたがってトテトテとまるんの元に走っていった

 「サチコは他の3人と一緒に撤収準備」
 「はい、解りました」

 二人に指示を出し終えると私はギャリソンの元に向かった
 私が指示を出すまでも無くセルニアの帰還を確認したギャリソンがすでに城に帰る準備を済ませてくれているだろうけど、一応私が指示を出すと言う形をとらないといけないと当のギャリソンに言われているからね

 案の定、すでに馬車はいつでも出発できるようになっており、後は私たちがくつろいでいたテーブルセットをしまって野盗たちをゲートに導けばすぐにイングウェンザー城に帰る事ができるようになっていた。そしてその作業もギャリソンがすでに紅薔薇隊の3人に指示を出していたらしく、サチコが合流してすぐにその作業に移っていた

 「ギャリソン、セルニアたちが帰ってきたからそろそろ城に向かうわよ」
 「はい、アルフィン様」 

 私の言葉に従ってギャリソンが御者席に着き、それを見たまるんがゲートを開いて馬車に乗り込む

 「な、なんだあの禍々しい黒い穴は!?」
 「魔法か! あの子供が魔法で作ったのか!?」

 すると驚く事に、開かれたゲートを前にして野盗たち全員が先ほどのエルシモさんと同じ様な反応を見せた

 「ボウドアの村はこの国の帝都からかなり離れているらしいし、この辺りには転移魔法を使えるマジックキャスター自体が少ないのかなぁ?」

 乗り込んだ馬車の中からその状況を見て驚いている私たちを乗せた馬車は、ゲートをくぐり無事イングウェンザー城へ帰還した


 ■


 エルシモは、目の前の光景にただただ圧倒されていた

 「ここが収監場所だと言うのか」

 空間に開いた得体の知れない黒い穴を通ると、そこには高さ10メートルはあるであろう壁がまるでこちらを威圧するかのように立ちふさがっていた

 石積みではなく、巨大な岩山から削り出したかのような作りのその壁は左右に広がっており、長さにすると300メートルほど続いているように見える。向かって右側の端の方に巨大な像のような物が建っている所を見ると、あそこが入り口なのだろうか?

 これは収監場所を取り囲む塀なのか?
 いやこれだけの規模だ、きっとこれは我々を捕まえたアルフィンと言う女が建てた城の城壁なのだろう。この頑強な塀の一辺を見ただけでも中はかなりの広さであろう事はたやすく理解できるだけに、とても囚人を収監するためだけに作られたものだとは思えないからだ

 「アルフィン、お帰りなさい」
 「ただいま、あやめ。出迎えるために待っていてくれたの?」

 そんな目の前の壁に俺たちが圧倒されていると、我々より先について馬車から降りていたアルフィンたちに帰りを待っていたのであろうエルフの子供が近寄って来て声かけた

 この女の子もこの城の子供なのか? まるんと言う子はアルフィンの妹か何かかと思ったから居ても不思議ではなかったが、この子は種族が違うからその線はないだろう。では、なぜこんな子供を自分の国から離れたこの城に連れて来て住まわせているんだ?
 
 そして何より、この子もかなり美しい
 頭の両横でゆれている金色の巻髪が動くたびに太陽の光を反射してきらきらひかり、ちょっと気の強そうな、それでいて子供らしい笑顔とがあいまってまるで御伽噺の妖精のようだ。エルフの寿命は長いから俺たちが拝むことはできないだろうけど、この子が大人になる頃にはかなりの美人に育つ事だろう

 あのアルフィンと言う王女はもちろん、シャイナと言う女戦士も初めて物陰から姿を窺った時は戦闘開始前の緊張の中にもかかわらずあまりの美貌に一瞬見惚れそうになってしまったくらいだし、なぜこの国の女は皆これほど美しいんだ? おまけに連れているメイドも例に漏れず美人ぞろい。これが囚われの身ではなく偶然迷い込んだのなら、理想を見せて旅人を惑わす幻の国にでも迷い込んだのかと思ってしまうぞ

 「入り口はこっちだよ。あいしゃが待っているから早く行こうよ」
 「そうね、私も早く出来が見たいし」

 そんな事を考えているうちに挨拶は終わったようで、あやめと言う子を先頭にして我々はこの城の城門へと連れて行かれた

 「それにしても凄い像だな」

 高さは城壁よりも少し低い8メートルほどだろうか? 近くまで来るとそのでかさに圧倒される
 金属でできたそれは、武器は持っていないものの屈強そうな戦士を思わせる男が仁王立ちしている像で、この城の主人であるアルフィンにはあまり似つかわしくない威圧的な雰囲気のある像だ 

 「あの白金の髪を持つ美姫ならば、もう少し優雅な像を城の入り口に置きそうなものだがな。それに」

 城の横にそびえる鉄の扉。このいかにも重そうな扉はどうやって開くのだろうか?
 確かに城を守ると言う点では正しいのだろうけど、これでは開けるだけでもかなりの人手がいるのではないか?
 それとも俺の知らないマジックアイテムで開閉を行うのか?

 そんな事を考えていると、巨大な像の足元から一人の少女が飛び出し、アルフィンの元に駆け寄った

 「あるさん、お帰りなさい! どうこれ、すごいでしょ」
 「そうね。依頼した私もまさかここまでのものを作っているとは思わなかったわ」

 今度はドワーフの子供か。と言うことはこの子がさっき話に出ていたあいしゃって言う子だな
 この子も他の子に負けず劣らずかわいらしい顔をしている。それにあやめと言う子と違って大きな瞳と丸みを帯びた顔が子供らしくて安心感を与える子だ

 しかしこれで3人目の子供か。もしかしてあのシャイナと言う女の趣味で連れてきているのか? それともこの城の中で親が働いていて、この子達は子供好きなシャイナたちを出迎えるために出てきていると言う事なのか?

 「あいしゃ、さっそく自慢の仕掛けを見せてくれる?」
 「うん、わかったよぉ。自動ドア一号くん、とびらを開けてねぇ」
 「なっ!?」

 この不思議な人間関係に頭をひねっている俺の目の前で、そんな思考をすべて吹っ飛ばすほどのとんでもない事が起こった。 なんと、あいしゃと言うこの子供の言葉を受けて目の前の像がゆっくりと動き出したんだ。 信じられるか? 8メートルもある巨大な像がだぞ! それもなんと、その像がこの城の巨大な鉄の扉を押し開けたんだ

 呆気に取られながらも冒険者のサガなのだろう、思考の片隅は冷静で無意識の内に何が起こったのかと動いている像を観察していた。そのおかげで俺はあることに気付く。よく見ればこの像、関節が繋がっていないではないか! と言う事は・・・

 「まっまさか、この巨人像はゴーレムだと言うのか!?」
 「そうだよ。わたしが作ったんだ、すごいでしょ」

 俺の驚愕した声に反応して、あいしゃと言う少女はこちらに振り向いて満面な笑顔で答えた
 馬鹿な、これほどのゴーレムをいくらドワーフとは言えこんな子供が!?

 「あいしゃはゴーレムとか無機物系のモンスターを作るのが得意だからね」
 「えっへん!」

 アルフィンにほめられてご満悦な表情を浮かべるドワーフの少女、その表情からはもっとほめて! と言わんばかりのうれしそうな感情がこちらにまで伝わってくる。と言う事は、本当にこの子供がこのゴーレムを作り出したというのか

 動きこそゆっくりではあるが、その力は人間では絶対に出しえないほどのものだ。この巨体と力強さ、もしかすると俺がマジックアイテムで呼び出したアイアン・ゴーレムよりも強大な力も持っているのかもしれない
 それほどのゴーレムを作り出す技術と魔力をこの子供がだと・・・

 「あの戦士やメイドといい、この子供といい、ここは化け物の巣なのか?」
 「化け物はひどいなぁ」

 不意にかけられた言葉に驚いて振り向くと、いつの間にか俺のすぐ後ろに化け物扱いされて苦笑しているシャイナが立っていた

 「何を呆けてるの?他のお仲間たちはもう扉の方に進んでいるわよ」

 そう言われて目線をあいしゃからシャイナが指差す扉の方に向けると、なるほど、他の仲間たちはすでにメイドたちに導かれて開かれた扉の中に入ろうとしている。俺だけが立ち尽くしていても何も言われなかったのは、元々仲間たちから離されていたのとシャイナがすぐ後ろについていたからだろうか?

 「アルフィンが言うには中の仕掛けも凄いらしいから、私も楽しみだし早く入るわよ」 
 「なに! まだ何かあるというのか!?」

 あまりの驚愕に足がすくむが、ここまで来てしまったんだ。尻込みしていても仕方がない
 シャイナに連れられて仲間たちの元へ進む

 全員が入ると、中に設置されていたもう一体の同型ゴーレム(察する所、名前は自動ドア二号くんだろうか?)の手によって鋼鉄の扉が閉められる
 しかし、その音を後ろに聞きながらも俺は、呆気にとられて振り向く事さえ出来なかった
 なぜなら

 「これは・・・城ではないよな」

 城壁、いや先ほどまでずっと城壁だと思っていたものの中には灰色の威圧的な雰囲気を漂わせた館が建っているだけだった

 これはどう考えても城ではない。それどころか金持ちや貴族の住む館ですらないだろう。飾りと言えば窓についている鉄格子と屋根の上にある恐ろしい姿をした羽の生えたモンスターの像4体くらいで、後はひたすら簡素な造りなのだから

 その塀の中は入り口付近や建物の周りこそ草が刈り取られているものの、館前に広がる土地は外の草原のように草を刈られることもなく、ただただ広大な荒地があるだけだった。と言う事は、この巨大な施設はこの塀も含めて我々を収監するためだけにある施設、いや、驚くべき事だが先ほどの話からすると我々を収監する為だけに新たに作られた施設だと言う事だろう

 一体どうやってこれだけの施設をこんな短期間で・・・

 「はい皆さ〜ん、説明するからこちらに来てくださいねぇ〜」

 俺たちが呆気にとられて周りをきょろきょろと見渡しているうちに移動したのであろう、あやめと言うエルフの少女が館の前にある台座のような所に上ってこちらに声をかけてきた。その横にはアルフィンをはじめとして一緒についてきたこの館の住人たちが並んでいる

 ここで逆らっても仕方がない。全員が素直に台座の前に集まると、おもむろにあやめは説明を始めた

 「まず、館の屋根に4体の像があるのが見えるよね?」
 「見えるがそれがどうかしたのか?」

 俺が代表して質問をかえすと、エルフの少女はおかしそうにクスクス笑った後

 「みんな、降りてきてぇ」

 といきなりその像に声をかけた

 ガアァァァァァァ!!

 声をかけた途端に動き出し、石の翼を羽ばたかせて空に舞い上がったかと思ったら急降下して俺たちを囲むように降り立つ魔像、まさかこいつら・・・

 「ガ、ガーゴイルだと!? いやしかし、こいつらから感じるこの魔力と力強さは・・・ほっ本当にガーゴイルなのか?」
 「そうだよ、これもわたしが作ったんだ」

 はいはい! っと元気いっぱい手を上げて、花が咲いたような笑顔で自慢げに飛び跳ねるドワーフの女の子
 これも、この子が!?

 ガーゴイル、古代の遺跡などを守っている石像のモンスターだが、その難度は弱いものなら15ほどだ。だが、こいつらから感じる魔力はそんなもんじゃねぇ! もしかすると難度80、いや90はあるのではないか? もしそうならダンジョンで出会ったら近づかずに即、逃げ出さないとやばいレベルだ。しかもそれが4体、それも作り出しただと!? 先ほど言っていた無機物系のモンスターを作るのが得意と言うのはこの事だったのか

 「この子達が昼夜関係なく常に監視しているから逃げようとか、考えないでね。それとねぇ」
 「まだ何かあるのか!?」

 正直この4体のガーゴイルたちだけで、俺たちなど装備を完全にそろえていたとしても簡単に皆殺しにできるほどの戦力だぞ。その上何があるというんだ?

 「壁の上の方を見て。無数の穴が開いているの、解るかな?」

 今まで色々なことに気を取られて気が付かなかったが、確かに周りを囲む壁の上方には無数の穴が開いていた

 「あそこにはあなたたちからするとかなり強いスライムが住んでるから、間違っても登ったりしないでね」
 「スライムだと」

 スライムと言えばそれほど強いモンスターではない。普通に洞窟や遺跡に住み着いているものなら鉄の冒険者でも勝つことはそれほど難しくないだろう。しかし、それが壁を登っている最中となるとそうは行かない。こちらがうまく動く事ができない状態なのに対して、スライムは壁に張り付く事ができるから自由に動き回るし、もし上から降って来て顔に張り付かれたら助けに行く事ができない状況である以上銀の、いや、もしかしたら金の冒険者でも殺される事があるかも知れない

 しかもこの城に住む者が俺たちからするとかなり強いとわざわざ忠告したんだ。こんな所でハッタリを言っても意味は無いのだから、実際普通のスライムではないだろし、ガーゴイルと同じく逃亡防止策として飼われているのなら難度はガーゴイルクラスだと考えた方がいいだろう

 「この壁さえ登らなければ絶対に襲わないようしつけてあるからそれほど怖がる必要はないけど、もし5メートル以上登ったら襲い掛かってくるから気をつけてね」

 この連中、ここに連れて来られるまでは俺たちよりかなり強いがこの国の兵士たちよりは甘いと思ったが、もしかすると俺たちは国の兵士に捕まるよりもっと大変なやつらに捕まったのではないか?

 「俺たち、どうなるんだ? これから」

 急に今居る場所がとても恐ろしい場所のように思えて、先ほどまでは微笑ましかった子供たちの笑顔さえあまりの不安感に裏のある悪魔の微笑みのように見え始めていた

あとがきのような、言い訳のようなもの


 今回は調子に乗って書いた為、ちょっとだけ長めです

 なんかセルニアがどんどん幼児化しているんだけどw まぁ、私の中では初めからあんな感じではあったのですけどね

 因みに、自キャラたちもだんだん私の頭の中のキャラに近くなるようがんばって行こうと思います。とりあえず子供キャラのあやめとあいしゃがしっかりしすぎている感じなので、それを何とかしないといけないなぁ

 さて、主人公がシャイナ相手でも言ってましたが、私たちからするとこの収容所の仕掛けはそれほど驚く事の無い物ですよね。でも30レベルそこそこのアイアン・ゴーレムを使役しただけで天下を取ったような気になる者にとっては、そのアイアン・ゴーレムよりも強そうなゴーレムがただ門を開けるためだけに生み出されたと知ったらどう思うでしょう

 おまけに自分たちを見張るために自分たちよりも遥かに強いモンスターが設置されたとしたら? シャイナ相手に主人公は絶望まではしないんじゃないかな? なんて言っていますが、実際にそんな状況に置かれたら何とかして逃げようと思っていた人は絶望どころの騒ぎではないでしょうね

 因みにエルシモがガーゴイルの難度に触れていますが、数値は適当です。ですが魔法で生み出されたものなのでレベルは当然30レベルを越えています。低位モンスター作成では5レベル(ネットで調べたらD&Dのガーゴイルは難度15だそうなので修正)なんて弱いモンスターは生み出せないですからね

 最後に、今回は今まではしっかりと表記していなかったあやめたちの容姿を文章にして書いてみました。どうですか? 近影イラストを載せなくても彼女たちの姿がちゃんと想像できるでしょうか? 少しは情景を思い浮かべる手助けになっていると嬉しいのですが

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